ニュートンの揺りかご

2011.12.18.

本サイトの左側、メニュー欄の上に動画が貼ってあります。
5個の球が隣り合わせに振り子のようにぶら下がっていて、右端の1個が他の4個に衝突すると、左端の1個が跳ね上がります。左端の1個が他の4個に衝突すると、右端の1個が跳ね上がります。
この遊具(おもちゃ)に「ニュートンの揺りかご(Newton's cradle)」という名前があることをつい最近知りました。
YouTubeで動画を検索しているときに、関連する動画に突然見慣れたものが表示されていたからです。
(もしも、左にメニューと閲覧者カウンターが表示されていない場合はここをクリックしてください)

もちろん、実際には左上の動画のように動き続けることなどはなく、だんだんと振り子の振幅が小さくなって止まってしまいます。
左上の動画は、同じ部分を繰り返し表示するように編集されています。
このサイト「亀戸図書委員会」を開設するときに、当時あちこちにあった「王様のアイデア」に行ってこのおもちゃを買い、ビデオカメラで撮影し、パソコンに取り込んで編集したのです。

力は伝達される。この動画を見れば一目瞭然です。

ヒトの身体で力を伝える器官は何でしょうか?
筋肉ではないですよね。筋肉は骨を動かす力を生み出しますが、力を伝えるには柔らかすぎます。
もしも、「ニュートンの揺りかご」の真ん中の球がスポンジでできていたらどうでしょうか。スポンジの球で力が吸収されてしまって、動画のような動きにはなりません。

ヒトの身体で力を伝えるのは最も硬い組織(器官)、つまり骨です。

ヒトが何らかの作業の対象物に力を加えようとしたら、骨を通じて力を伝えます。
料理で材料を切るとか、キーボードのキーを叩くとか、ペンで名前を書くとか、ネジを回すとか、釘を打つとか、ラケットを振るとか、ボールを投げるとか、、、


「筋肉は、主として骨格の配列の形を変化させ、その変化のさせ方によって、エネルギーの伝わり方・流れ方の性質を決定する」
(『原初生命体としての人間』「第4章 原初生命体の動き」より)


以前の「稽古雑感」ページ、「13.筋肉を使う」に引用した言葉です。(このページでも骨格が力(エネルギー)を伝えるということを書いていますので、参考にしていただければ、うれしいです)

人体には約200個の骨があります。
これは、足や手の細かい骨までを数えた数字ですから、運動中の力の伝達に直接関与している大きな骨の数はもっとずっと少ないでしょう。

背骨、骨盤、脚、腕などの主要な骨をどのような角度に維持するか、対象物との関係をどのように維持するかがスポーツ動作や武術では大切なことです。



原初生命体としての人間 『原初生命体としての人間』(岩波現代文庫)
著者: 野口 三千三
出版社: 岩波書店
定価: 1,050円(税込)

「筋肉は、主として骨格の配列の形を変化させ、その変化のさせ方によって、エネルギーの伝わり方・流れ方の性質を決定する。筋肉は、からだの重さを動きのエネルギーに変換して利用できるものにする役割をになうものである。主エネルギーはからだの重さであり、この重さが地球との作用・反作用の関係によって、動きのエネルギーを生みだすのである。骨格の形の変化を運動と考えるのではなく、このエネルギーをどのようにからだで受容・伝送・処理・反応するかを、からだの動きと考えるのである。骨格の形の変化は動きのひとつの現れにすぎない」
(「第4章  原初生命体の動き」より)

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補足:
以下のページもぜひ読んでみてください。
「稽古雑感」ページ「18.今そこにある骨
「稽古雑感」ページ「20.腱について知っている二、三の事柄